【学生必見】国民年金「学生納付特例制度」とは?メリット・デメリット、追納について徹底解説!

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「将来の年金のことなんて、まだ考えられない…」

そう思っている学生の皆さん、もしかしたら損をしているかもしれません。

学生時代に利用できる「国民年金保険料の学生納付特例制度」。

名前は聞いたことあるけど、

  • どんな制度なの?
  • 利用するとどんないいことがあるの?
  • 結局、追納ってした方がいいの?

と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、学生納付特例制度について、制度の基本からメリット・デメリット、追納の必要性まで、学生の皆さんが抱える疑問を解決できるよう徹底的に解説します!
この記事を読めば、将来後悔しないための賢い選択ができるようになるはず。ぜひ最後まで読んでみてください。

そもそも国民年金って?学生に関係あるの?

日本に住む20歳以上の方は、原則として国民年金に加入する義務があります。もちろん、学生も例外ではありません
国民年金保険料は、老後の生活を支える年金給付のほか、病気やケガで障害が残った場合に支給される障害年金、万が一のことがあった場合に遺族に支給される遺族年金など、私たちの生活を支える大切な制度の基礎となっています。

しかし、学生は収入が少ない場合や、学費や生活費で経済的に苦しい状況にある方も少なくありません。
そこで設けられているのが「学生納付特例制度」です。

学生納付特例制度とは?

学生納付特例制度とは、学生期間の国民年金保険料の納付を猶予してもらえる制度です。
日本年金機構の要綱に基づき、形式的には「納付猶予」という扱いになります。

学生納付特例制度の対象者

  • 大学生、大学院生、短期大学生、高等専門学校生、専修学校生、各種学校生など
    • 夜間部、通信制、外国人学生も対象
  • 前年度の所得128万円以下(扶養親族等の数によって加算あり) 128万円の所得制限には以下の要素が含まれます:準超過します。

上記に該当する学生であれば、申請することで在学中の国民年金保険料の納付が猶予されます。

保険料が猶予される期間

申請が承認された期間(通常は申請した年度の4月から翌年3月まで)

猶予されるとどうなる?

  • 保険料の納付が猶予される:在学中の保険料を支払わずに猶予してもらうことができます。
  • 年金の受給資格期間に算入される:保険料を納付していなくても、将来年金を受け取るために必要な受給資格期間として計算に入れられます。
    • ただし、年金額には反映されない:後述しますが、猶予期間は年金額を計算する上では「未納期間」として扱われます。

学生納付特例制度のメリット

学生納付特例制度を利用するメリットは大きく分けて3つあります。

1.学生時代の経済的負担を軽減できる

最大のメリットは、学生時代の国民年金保険料の支払いを猶予してもらえることです。
2025年度の国民年金保険料は月額16,520円。1年間にすると約20万円近い金額になります。
学費や生活費で経済的に苦しい学生にとって、毎月の保険料の支払いは大きな負担です。
学生納付特例制度を利用すれば、現在の経済的な負担を軽減し、学業や生活に専念することができます。

2.将来の年金受給資格を確保できる

学生納付特例制度で猶予された期間は、年金の受給資格期間に計算に入れられます
年金を受け取るためには、最低10年以上の受給資格期間が必要です。
もし学生納付特例制度を利用せずに保険料を未納にしてしまうと、受給資格期間が不足し、将来年金を受け取ることができなくなる可能性があります。
学生納付特例制度を利用すれば、保険料を納めなくても受給資格期間を確保でき、将来年金を受け取るための基礎を作ることができます。

3.追納することで保険料を納めたのと同じ扱いになる

学生納付特例制度はあくまで「納付猶予」であり、保険料が免除されるわけではありません。
猶予された保険料は、後から「追納(可能)」することができます。
追納することで、猶予期間は保険料納付済期間となり、将来受け取れる年金額を増やすことができます。
また、追納した保険料は、社会保険料控除の対象となり、所得税や住民税を軽減する効果も期待できます。

学生納付特例制度のデメリット

メリットが多い学生納付特例制度ですが、デメリットも存在します。
デメリットを理解した上で、制度を利用するかどうかを検討することが大切です。

1.将来受け取れる年金額が減る可能性がある

学生納付特例制度を利用した場合、猶予期間は年金額を計算する上では**「未納期間」**として扱われます。
老齢基礎年金の年金額は、保険料納付済期間に応じて計算されるため、猶予期間が長くなると、将来受け取れる年金額が減ってしまう可能性があります。

どのくらい年金額が減るのか、具体的に見てみましょう。

2025年度の老齢基礎年金の満額は年間81万6,000円です。
仮に、大学4年間保険料を猶予した場合、追納しなかった場合の年金受給額は以下のようになります。

      816,000円×(480ヶ月-48ヶ月)/480ヶ月=734,400円

満額に比べて、年間8万1,600円30年間で約245万円も年金受給額が減ってしまう計算になります。

表1未追納期間別の年金損失額(2025年度基準)

未追納期間年間損失額30年累計損失
1年20,400円612,000円
2年40,800円1,224,000円
3年61,200円1,836,000円
4年81,600円2,448,000円

2.障害基礎年金・遺族年金が受け取れない場合がある

万が一、障害を負ってしまった場合に支給される障害基礎年金や、亡くなった場合に遺族に支給される遺族年金を受け取るためには、保険料の納付状況が要件の一つとなっています。

学生納付特例制度を利用していた期間中に初診日がある病気やケガで障害を負った場合、保険料の納付要件を満たせないため、障害基礎年金が受け取れない場合があります。
また、学生期間に亡くなった場合、遺族が遺族年金を受け取れない可能性も。

ただし、保険料の免除や猶予を受けていた期間でも、認められるケースもありますので、詳細は年金事務所にご確認ください。

3.追納には加算額がかかる場合がある

猶予された保険料は、10年以内であれば追納できますが、猶予期間の翌年度から起算して3年度目以降に追納する場合は、経過期間に応じて加算額が加算されます。

加算額は毎年変動しますが、多くありません。
例えば、令和6年度に追納する場合、加算額は月額保険料に対して数十円程度です。
ただし、追納期間が長くなると加算額も増加するため、追納する場合は早めに行うのがおすすめです。

4.投資収益を得る機会を失う可能性がある

保険料を追納するためには、当然、お金が必要です。
もし、追納に必要なお金を投資に回した場合、より高いリターンを得られる可能性があります。

例えば、4年間の保険料約80万円を年利5%で30年間運用した場合、約345万円になります。
年金受給額の減少額(約245万円)を差し引いても、約100万円投資収益が多くなる計算です。

ただし、投資にはリスクが伴いますので、投資に慣れていない方やリスクを取りたくない方は、保険料を追納して年金を増やしておく方が確実と言えるでしょう。

結局、学生納付特例制度は利用すべき?追納はした方がいい?

学生納付特例制度のメリット・デメリットを踏まえた上で、学生期間に制度を利用すべきか、追納はした方がいいのか、迷いますよね。

学生期間は経済的に苦しい場合は利用を検討しよう

学生納付特例制度は、経済的に苦しい学生を扶助するための制度です。
学費や生活費の支払いで経済的に苦しい場合は、ためらわずに制度の利用を検討しましょう。
無理に保険料を納付して生活が苦しくなってしまうよりも、現在は制度を利用して経済的に苦しい状況を乗り切り、後で追納するという選択肢もあります。

追納は原則的にした方がお得

追納しない場合、将来受け取れる年金額が減ってしまうというデメリットがあります。
保険料を追納することで、年金額を満額に近づけることができ、保険料を納めた期間があるほど、将来受け取る年金額は増加するからです。
加算額が加算されるとはいえ、保険料を追納する利点は投資収益を上回る可能性が高いと考えられます。

追納しない方がいいケースも?

以下のようなケースに当てはまる場合は、無理に追納しなくてもいいかもしれません。

  • 投資でより高いリターンが期待できる場合
    • 投資に自信があり、年利5%以上のリターンを継続的に期待できる場合は、保険料を追納せずに投資に回すのも一つの方法です。
  • 年金の繰り下げ受給を検討している場合
    • 年金は、受給開始年齢を遅らせる(繰り下げ受給)ことで、受給額を増加させることができます。繰り下げ受給を検討している場合は、保険料を追納しなくても、繰り下げによる増額で年金受給額の減少分を相殺できる可能性があります。
  • 民間保険で保障を準備している場合
    • 万が一のリスクに備えて、民間保険で十分な保障を準備している場合は、保険料を無理に追納しなくても、民間保険でリスクに備えるという考え方もあります。
  • 平均寿命より大幅に短命であるリスクが高い場合
    • 遺伝性疾患等により、平均寿命より大幅に短命であるリスクが高い場合は、保険料を追納しても投資に見合うリターンが得られない可能性があります。

ただし!上記はあくまで一例です。追納すべきかどうかは、個人の経済状況やライフプランによって異なります。
ご自身の場合はどうすべきか、迷ったら年金事務所に相談してみるのがおすすめです。

追納の手続き方法

追納は、保険料の納付猶予が承認された期間の翌年度から起算して10年以内に行うことができます。
追納を希望する場合は、年金事務所に追納申込書を提出する必要があります。
追納申込書は、年金事務所の窓口で入手できるほか、日本年金機構のウェブサイトからダウンロードすることも可能です。

追納保険料の納付方法は、納付書払い、口座振替、クレジットカード払いなどから選択できます。

学生納付特例制度利用時の注意事項

学生納付特例制度を利用するにあたって、いくつか注意しておきたい点があります。

  • 申請は毎年必要
    • 学生納付特例制度の申請は毎年必要です。失念しないように毎年申請手続きを行いましょう。
  • 収入に変動があった場合は申告が必要
    • アルバイト収入が増えるなど、収入状況に変動があった場合は、速やかに年金事務所に申告しましょう。収入が一定額を超えると、学生納付特例の対象から外れる場合があります。
  • 住所変更があった場合は必ず申告を
    • 転居などで住所が変更になった場合は、年金事務所に住所変更の申告を必ず行いましょう。重要な通知が届かなくなる可能性があります。
  • 電子申請も可能
    • 学生納付特例制度の申請は、マイナポータルから電子申請を行うことも可能です。電子申請を利用すれば、年金事務所の窓口に行かなくても手続きが完了します。

まとめ|学生納付特例制度を賢く利用して、将来に備えよう

国民年金の学生納付特例制度は、学生期間の経済的に苦しい保険料の支払いを猶予してもらえる、学生にとって非常に便利な制度です。
制度を賢く利用することで、現在の経済的な状況を乗り切りながら、将来の年金受給資格を確保することができます。

追納については、加算額がかかるなどのデメリットもありますが、原則的には保険料を追納することで、将来受け取れる年金額を増加させることができます。

この記事を参考に、ご自身のライフプランや経済状況に合わせて、学生納付特例制度を賢く利用し、将来に備えていきましょう。

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