『存在のすべてを』読後感想！2024年本屋大賞ノミネート作の魅力と感動のポイント

こんにちは、読者の皆さん！今日は感動溢れる素敵な話をシェアしたいと思います。塩田武士さんの最新作『存在のすべてを』について、皆さんは聞いたことがありますか？ 

実は、この本、2024年本屋大賞にノミネートされた超注目作なんです！ミステリーと人間ドラマが魔法のように混ざり合って、読み始めたらきっと手放せなくなる一冊なんですよ。 

正直に告白すると、私、前の作品『罪の声』にすっかり惚れ込んでいて、今回の新作も期待に胸を膨らませて読み始めました。元新聞記者ならではの圧倒的な取材力と、事件の真相を丁寧に紡ぐ筆致。登場人物たちの息遣いが今にも聞こえてきそうなほど、リアルな描写に引き込まれること間違いなしです！ 

この記事では、『存在のすべてを』の魅力を余すところなくお伝えします。家族の絆や人間の存在について、深く考えさせられる本が好きな方、心が震えるような物語を求めている方、あなたにこそおすすめしたい一冊です。一緒に、この感動的な世界に飛び込んでみませんか？

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『存在のすべてを』著者・塩田武士とは？

物語のあらすじ

1991年、神奈川県で「二児同時誘拐事件」が発生しました。立花敦之はすぐに発見されたものの、もう一人の内藤亮は、身代金の受け渡しに失敗したことで行方不明となります。

事件から3年後、7歳になった亮が突然祖父母の家に現れ、「育ててほしい」と訴えます。しかし、亮は「覚えていない」と頑なに口を閉ざし、事件の真相は謎のまま時効を迎えました。この未解決事件は、時が経つにつれて社会からも忘れ去られていきます。

それから30年後の2021年、元新聞記者の門田次郎は、旧知の刑事が亡くなったことをきっかけに、この事件を再び追うことになります。調査を進める中で、門田は、かつての被害者である内藤亮が現在、新進気鋭の写実画家・如月脩として活躍していることを知ります。亮は誘拐事件後に無事保護されたものの、その後の人生は平穏とは程遠いものでした。彼は過去のトラウマを抱えながらも、画家としての道を歩み続けていたのです。

門田が亮の人生を追う中で、事件の真相や当時の警察や社会の対応、そして誘拐犯の動機が次第に明らかになっていきます。さらに、門田自身もジャーナリストとしての使命や、自らの過去と向き合うことを余儀なくされます。この事件の背後には、単なる犯罪を超えた人間の欲望や愛憎、そして社会の闇が浮かび上がっていくのです。

物語は門田の視点を中心に展開し、内藤亮の少年時代を知る土屋里穂や、亮と関わるようになる写実画家夫妻など、さまざまな人物の視点から、空白の3年間に何が起きたのか、そして亮がその後どのような人生を歩んだのかが丹念に描かれます。事件の背後に隠された意外な事実や、登場人物たちの葛藤が複雑に絡み合い、読者を深い感動と考察へと導く物語です。

『存在のすべてを』は、単なるミステリーにとどまらず、人間の存在意義や、時間がもたらす癒しと傷、そして真実を追求することの意味を問いかける作品です。また、ジャーナリズムの役割や、社会が事件をどのように記憶し、忘れていくのかといったテーマも描かれています。 

この作品は、塩田武士が得意とする緻密な取材とリアリティのある描写を通じて、読者に深い余韻を残す物語となっています。  

『存在のすべてを』感想　涙あふれます！

『存在のすべてを』を読み終えたとき、最も心に残ったのは、血縁を超えた家族の絆の描写でした。特に第9章「空白」で描かれる、内藤亮と誘拐犯である貴彦・優美夫妻との3年間の生活は、ただの犯罪小説の枠を超え、読者の心に深く響く物語です。この章には、「家族とは何か」「愛とは何か」「存在の意味とは何か」という普遍的なテーマが凝縮されており、私は何度も涙を流しました。

まず、貴彦と優美が血のつながりのない亮を自分たちの子供として愛情深く育てる姿が印象的です。彼らは、亮を預かることによって自らの人生を大きく変え、社会的制約や世間の目への警戒と戦いながらも、亮に今まで体験したことのない深い愛を注ぎ続けます。この「家族として育っていく」過程は、静かに丁寧に描かれており、読む者の心の奥底に響いてきます。たとえその背景に「罪」という重い事実があったとしても、親子以上に親子らしい彼らの関係は、美しく、儚く、純粋な愛そのものとして輝いていました。

しかし、この幸せな日々にも終わりが訪れます。亮を手放さなければならないという現実に直面した優美の心情は、読む者の胸を締め付けます。「そんな日が、来なければいい」という優美の思いには、親子の別れが持つ普遍的な悲しみが込められており、多くの読者が涙したことでしょう。そして、夫妻が亮の乳歯を丁寧に保管し、引き取る相手への安心材料とした姿には、亮への深い愛情と別れの準備をしていた配慮が表れていて、胸を打たれました。

さらに、貴彦が亮に語る「存在の大切さ」についての言葉が、この物語の核心をなすテーマとして心に残ります。「世界から存在が失われていくとき、必ず写実の絵が求められる」という一節には、人間の生きる意味や芸術の力、そして人生そのものが凝縮されています。この言葉が、画家として生きる亮の人生の方向性を示しているように感じられました。

亮を守るために貴彦が取った自己犠牲的な行動については詳細に描かれていませんが、その分、読者の想像力をかき立てます。亮という存在のすべてを守るために、貴彦が自らのすべてを捧げた姿勢は、愛の究極の形として強く心に響きました。

物語が進むにつれて、事件の真相だけでなく、登場人物たちの人生や心情が丁寧に掘り下げられていく点も魅力的でした。事件が解決した後も余韻が長く残り、物語全体が問いかける「存在」と「愛」のテーマについて深く考えさせられます。

『存在のすべてを』は、単なるフィクションを超えた、魂に触れる作品です。この本を通じて、多くの人が第9章「空白」で深い感動を味わい、人生について新たな気づきを得られるのではないかと思います。私にとっても、この物語は忘れられない一冊となりました。この感動をより多くの人と共有したい、そんな気持ちでいっぱいです。

読者へのおすすめポイント 

『存在のすべてを』が読者に投げかける問い

塩田武士の小説『存在のすべてを』が読者に投げかける問いは、単なるミステリーの枠を超え、人生や社会、そして人間の本質に関わる深いテーマを含んでいます。この作品は、平成3年に発生した「二児同時誘拐事件」を軸に、30年後の現在まで続くその影響を描きながら、以下のような問いを読者に提示しています。

まとめ 

塩田武士さんの『存在のすべてを』は、単なるミステリーを超え、人間の本質に迫る深い感動をもたらす一冊です。1991年の誘拐事件を軸に、家族の絆や存在意義を問い直し、読む者の心を揺さぶります。特に第9章「空白」で描かれる血縁を超えた親子の愛情には涙が止まりませんでした。過去の傷を抱えながら画家として生きる亮の姿、彼を守るため全てを捧げた養い親の行動、その全てが胸を締め付けます。「存在の大切さ」を説く言葉は、人生を見つめ直す力強いメッセージとして心に響きます。この作品は、読む人それぞれに深い気づきと余韻を残す、魂に触れる物語です。 

ぜひ手に取って、あなた自身の「存在のすべて」について考えるきっかけにしてみてください！