
2025年の大学入学共通テスト国語で、まさかの「ヒス構文」が出題され、受験生の間で大騒ぎになったのをご存知ですか?「え、ヒス構文ってあのヒス構文?」「共通テストで?!」と、驚かれた方も多いのではないでしょうか。
出題されたのは、詩人・小説家の蜂飼耳(はちかい みみ)さんの短編小説『繭の遊戯』からの一節です。
問題文中に登場したヒス構文は以下のようなものでした:「もうわかった、あたしが死ねばいいんでしょ、じゃあ、死ぬよ!」
この発言は、家族のいざこざが最高潮に達するシーンで、おばあちゃんが突然ヒステリックに叫んだものです
今回は、この「ヒス構文」とは一体何なのか、なぜ共通テストに出題されるほど話題になっているのかを、徹底的に解説していきたいと思います。
そもそも「ヒス構文」って何?
「ヒス構文」とは、「ヒステリック構文」の略で、まるでドラマのような、ちょっと大げさで感情的な言い回しのこと。特に、お母さんが子どもに対して使うことが多く、論理を飛躍させたり、話をすり替えたりして、相手に罪悪感を抱かせるような話し方を指します。
お笑いコンビ「ラランド」のサーヤさんが、自身のYouTubeチャンネルで「お母さんヒス構文」として紹介したことから、一気に広まりました。
ヒス構文の主な特徴
ヒス構文には、いくつかのパターンがあります。まるで、必殺技みたいですよね。
論理飛躍型
相手の発言を大げさに解釈し、全く関係のない方向に話を展開させるタイプです。
例:
- 子:「友達の家のお茶が美味しかった」
母:「じゃあ、うちの麦茶はまずいってこと?そんなに友達の家がいいなら、その家の子供になれば?」 - 子:「友達の家のお菓子美味しかったー!」
母:「あんたお菓子作ってなんて言わなかったじゃない。じゃあもう二度とお菓子作らないから。コンビニのお菓子でも食べてなさい」
論点すり替え型
今話していることとは全く別の話題を持ち出し、相手を責めるタイプです。
例:
子:「一回こんなとこで食べてみたいなぁ」
母:「あっそう、じゃあ家のごはんはいらんってことやな?捨てよっか、捨てよう」
自己否定型
わざと自分を否定することで、相手に「そんなことないよ」と言わせようとするタイプです。
例:
- 「はいはい、全部私が悪かったってことですね」
- 「私なんて揚げたての唐揚げよりもコンビニの冷えたお弁当がお似合いだよね」
大胆結論型
極端な結論を出し、無理やり話を終わらせようとするタイプです。
例:
- 子:「猫アレルギーだから、帰省できないな」
母:「じゃあ今すぐ子猫を捨てろってことね?あ、じゃあ虐待するような人のところに預けたらいいんだ?」 - 子:「生ごみくさっ」
母:「え?私が悪いの?じゃあもう料理作らないから。毎日外食すればいいんでしょ」
大量連射型
息継ぎもせずに、大量の言葉を浴びせかけるタイプです。
例:
「私の唐揚げはないの?そうだよね、私なんて揚げたての唐揚げよりもコンビニの冷えたお弁当がお似合いだよね。冷えたご飯食べすぎてお腹壊して寝込んじゃえばいいんだ。寝込みすぎてベッドと一体化してもういっその事ベッドとして生きればいいと思ってんだ。」
これらのパターン、皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
なぜ共通テストに出題されたの?
「ヒス構文」が共通テストに出題されたのは、単なるおもしろネタとしてではなく、現代社会のコミュニケーションや若者文化を考える上で、非常に重要なテーマだと捉えられたからだと考えられます。
1.現代の言葉遣いの変化を反映: SNSやインターネットの普及によって、若者を中心に独特な言葉遣いが生まれています。ヒス構文もその一つと言えるでしょう。
2.言葉の裏にある感情を理解する: ヒス構文は、単なる言葉のやり取りだけでなく、その背景にある感情や意図を理解することが重要です。
3.ジェネレーションギャップを考える: 親世代と子世代の間で、言葉の捉え方にずれが生じていることを示唆しています。
4.コミュニケーション能力の重要性: 言葉の選び方や伝え方によって、相手に与える印象が大きく変わることを学ぶ良い機会です.
共通テストでの「ヒス構文」の登場に受験生たちは?
共通テストで「ヒス構文」が出題されたことに対し、受験生からは様々な反応がありました.
•「え、マジで?」「現代文の授業でやった!」と驚く声
•「お母さんヒス構文が出てきて集中力が途切れた」と戸惑う声
•「ラランドの動画を思い出して笑ってしまった」という声
•「試験中に笑いをこらえるのに必死だった」という声
試験という緊張感のある場面で、まさかの「ヒス構文」が登場したことで、受験生たちの集中力が途切れてしまったという意見も多くありました。しかし、一方で「現代的な出題で面白い」と肯定的な意見もあり、議論を呼んでいます.
「ヒス構文」から見える現代社会の課題
「ヒス構文」は、一見すると面白い言葉遊びのように見えますが、その背景には、現代社会の様々な課題が隠れていると言えます.
•家庭内のコミュニケーション不足: 親子間のコミュニケーションがうまくいっていない家庭がある.
•感情的な表現に頼る傾向: 論理的な思考よりも、感情的な表現に頼りがちな人が増えている.
•言葉の重みに対する意識の低下: 言葉が持つ力や、相手に与える影響を軽視する傾向がある.
まとめ:ヒス構文を理解し、より良いコミュニケーションを
今回の共通テストでの「ヒス構文」出題は、私たちに言葉の持つ意味や、コミュニケーションのあり方を改めて見つめ直す良い機会を与えてくれました
「ヒス構文」を単なるネタとして消費するのではなく、その背景にある問題意識を共有し、より良いコミュニケーションを目指していくことが大切です。
このブログ記事が、皆さんの「ヒス構文」に対する理解を深め、より良いコミュニケーションを築くための一助となれば幸いです。
コメント