
「子どもの将来のために、しっかり教育資金を準備してあげたい!」
パパ・ママなら誰もがそう思いますよね。そして、その選択肢として真っ先に思い浮かぶのが「学資保険」。
「ママ友も入ってるし、ランキングでも人気だし、やっぱり安心なのかな…」
そう思っているなら、ぜひこの記事を読んでみてください。
実は、「みんなが入っている」というイメージとは裏腹に、最近の調査では学資保険の加入率は5割前後。半数近くの家庭は、別の方法で教育資金を準備しているというデータもあるのです。
この記事では、なぜ学資保険が必ずしも最善の策ではないのか、その衝撃的なカラクリを徹底解説します。
さらに、多くの人が見落としている「隠れたリスク」まで網羅。
「ああ、もっと早く知りたかった…」と後悔する前に、ぜひ最後までお付き合いください。

まず結論:なぜ学資保険は「元本割れ」するのか?

時間が無い方向けに結論からお伝えします。学資保険で元本割れ、つまり「払ったお金より、もらえるお金が少なくなる」現象が起こる主な理由は、この5つです。
- 【超・低金利】:保険会社がお金を増やせない時代の呪い
- 【手厚い保障】:安心という名の「有料オプション」コスト
- 【途中解約】:絶対に避けたい「ペナルティ」という落とし穴
- 【払込方法】:意外と知らない返戻率を下げる支払い方
- 【祝い金】:もらうと損する?知られざる仕組み
「え、どういうこと?」と思われた方、大丈夫です。今から一つひとつ解説していきますね。
①【超・低金利】銀行にお金を預けても増えないのと同じ理由
最大の原因、それは今の日本の「超・低金利」です。
昔、あなたのご両親の時代は、銀行の定期預金に預けるだけで、お金がゴロゴロ増えていきました。
保険会社も同じで、皆さんから預かった保険料(お金)を国債などで運用して、たくさんの利益を出せたのです。その利益を、私たち契約者に「満期金」として還元してくれていました。だから、昔は返戻率120%(100万円払ったら120万円もらえる)なんて商品もザラにあったのです。
しかし、今はどうでしょう?
銀行に100万円預けても、1年でつく利息はジュース1本も買えないレベルですよね。それは保険会社も全く同じ。安全にお金を運用して利益を出すのが、めちゃくちゃ難しくなっています。
お金を増やせないのですから、私たちに還元できる分も少なくなるのは当然。これが、今の学資保険の返戻率が100%ギリギリ、もしくは100%を切って元本割れしてしまう最大の理由です。
②【手厚い保障】その「安心」、実は有料です
「学資保険のいいところは、親に万が一のことがあっても、その後の保険料が免除されるところだよね」
はい、それは学資保険の大きなメリットです。しかし、ここで大事なことをお伝えします。
その「保障」はタダではありません。
学資保険の比較
項目 | 貯蓄重視型 | 保障重視型 |
---|---|---|
保険料の使途 | 多くが教育資金の貯蓄に回る | 一部が保障費用に充てられる |
返戻率 | 高くなる傾向 (100%超も可能) | 低くなる傾向 (100%未満が多い) |
保障内容 | 契約者死亡時の保険料免除のみ | 医療保障・育英年金などが充実 |
おすすめの人 | 教育資金を効率よく貯めたい | 万一の保障も重視したい |
子どもの医療保障(入院したら〇円!など)や、親の死亡保障といった特約(オプション)をつければつけるほど、毎月の保険料の中から「保障料」というコストが差し引かれます。
つまり、安心を手に入れれば入れるほど、貯蓄に回るお金は減り、返戻率は下がっていくのです。
学資保険は「貯金」ではなく、あくまで「保険」だということを忘れてはいけません。
③【途中解約】18年という長い旅の落とし穴
学資保険は、基本的に10年、15年、18年と、とても長い付き合いになります。
「うちは大丈夫」と思っていても、長い人生、何が起こるか分かりません。転職による収入減、予期せぬ病気やケガ…。万が一、保険料の支払いが厳しくなり途中で解約すると、ほぼ100%元本割れします。
特に契約して数年で解約した場合、「解約控除」という名のペナルティが引かれ、戻ってくるお金は払った額の半分以下…なんてことも。お金を貯めるどころか、大きく損をしてしまうリスクが常にあるのです。
④⑤【払込方法・祝い金】チリツモで損してませんか?
これは少し細かい話ですが、意外と重要です。
支払いは「月払い」より「年払い」「一括払い」がお得
保険会社からすると、早くまとまったお金を預かれた方が運用しやすいので、保険料を割り引いてくれます。逆に言うと、「月払い」は最も返戻率が低くなる支払い方なのです。
「祝い金」をもらうと返戻率は下がる
高校入学時など、満期を待たずに「お祝い金」を受け取れるプランがあります。一見お得に見えますが、その分、運用に回るお金が途中で減ってしまうため、最終的にもらえる総額は、満期で一括で受け取るプランより少なくなることがほとんどです。
学資保険の”本当の恐怖”は「実質的な元本割れ」

さて、ここからが本題です。多くの人が見逃している、学資保険の最も恐ろしいリスクについてお話しします。それは「インフレに負ける」ということです。
「インフレ…?よく分からない…」
大丈夫です、簡単ですよ。インフレとは「モノの値段が上がり、お金の価値が下がること」です。
例えば、30年前に100円だった缶ジュースが、今では140円になっていますよね?これは、30年前に比べて「円」の価値が下がったことを意味します。
では、学資保険に話を戻しましょう。
あなたが今、18年後に300万円を受け取る学資保険に加入したとします。返戻率はギリギリ100%で、元本割れはしていません。
しかし、18年後の「300万円」は、今の「300万円」と同じ価値でしょうか?
もし、今と同じように物価が上がり続けたら、大学の学費も今の300万円では足りなくなっているかもしれません。昔は300万円で足りたものが、18年後には350万円必要になっている可能性があるのです。
学資保険は、受け取る金額が契約時に「固定」されてしまいます。
つまり、たとえ数字の上では元本割れしていなくても、インフレでお金の価値が下がってしまい、教育資金として「足りない」という「実質的な元本割れ」が起こる可能性が非常に高いのです。
これが、私が考える学資保険の最大のデメリットであり、知っておくべき「隠れたリスク」です。

じゃあ、どうすれば?2025年流・教育資金の賢い貯め方

「学資保険が微妙なのは分かった。じゃあ、どうやって貯めればいいの!?」
ご安心ください。今の時代に合った、賢い選択肢はたくさんあります。
選択肢①:【最有力候補】新NISA(つみたて投資枠)を活用する
「投資!?怖い、ギャンブルでしょ?」と思った方、ちょっと待ってください。
2024年から始まった「新NISA」は、国が「みんな、これを使って将来のためにお金を育ててね!」と作った、めちゃくちゃお得な制度です。
- 運用して出た利益に税金がかからない(通常は約20%も取られる!)
- インフレに強い(経済成長に合わせてお金が増える可能性がある)
- いつでも引き出せる(流動性が高い)
- 月々1,000円といった少額から始められる
もちろん、投資なので元本保証ではありません。しかし、「長期・積立・分散」という基本を守れば、リスクを抑えながら、学資保険を大きく上回るリターンが期待できます。
世界経済の成長にあなたのお金を乗せて、インフレに負けない教育資金を準備する。これが現代の王道です。
選択肢②:それでも学資保険を選ぶなら【人気ランキングのカラクリ】
「投資の勉強は苦手…」「強制力がないと絶対に使っちゃう」という方にとって、学資保険が魅力的に映るのも事実です。
実際に、ママたちの口コミで選ばれる「ママリ口コミ大賞」や、利用者の満足度を調査した「オリコン顧客満足度ランキング」でも、学資保険は毎年人気を集めています。特に、返戻率の高さで定評のあるソニー生命や、長い歴史と安心感のある明治安田生命(つみたて学資)、フコク生命(みらいのつばさ)などが常に上位にランクインしています。
もし、あなたが学資保険を選ぶなら、こうしたランキング上位の商品を比較しつつ、必ず以下の条件をクリアするものを選びましょう。
- 返戻率105%以上を死守する(100%ギリギリは実質元本割れ)
- 医療特約などのオプションはつけない(保障は別の保険でシンプルに考える)
- できるだけ「短期払い」や「一括払い」で返戻率をアップさせる
「人気だから」「おすすめされたから」で決めるのではなく、厳しい目で選ぶことが重要です。

まとめ:時代は変わった。教育資金の準備もアップデートしよう!
最後に、今日の話をまとめます。
- 学資保険は、低金利と保障コストで「元本割れ」しやすい
- 最大の盲点は、インフレによる「実質的な元本割れ」のリスク
- 教育資金準備の主役は「新NISA」などの投資に移行しつつある
- 「強制力」を求めるなら、人気ランキングを参考にしつつも「返戻率105%以上」など厳しい目で選ぶこと
- 学資保険に入りそびれても全く問題ナシ!代替案はたくさんある
「学資保険に入っておけば安心」という時代は、残念ながら終わりました。しかし、悲観する必要はありません。今は新NISAのように、私たちの資産形成を後押ししてくれる素晴らしい制度があります。
この記事が、あなたの大切なお子さんの未来を守るための、最適な教育資金プランを見つけるきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。まずは情報収集から、一歩を踏み出してみてくださいね。
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