【Audibleヘビーユーザーも唸る】『ロスト・ケア』を「聴く」感動体験！あらすじ・感想・魅力徹底解説

「本を読みたいけれど、時間がない…」

現代社会を生きる私たちにとって、それは共通の悩みかもしれません。通勤時間や家事の合間、寝る前のわずかな時間でさえ、情報過多な現代において、なかなか読書に集中できない日々を送っている方も多いのではないでしょうか。

私自身も、そんな悩みを抱える一人でした。特に、心を深く揺さぶるような小説はじっくりと時間をかけて向き合いたい。しかし、仕事や家事、育児に追われる毎日の中で、その時間はなかなか確保できませんでした。

そんな忙しい日々の中で、私の読書ライフを支えてくれているのが、Audible（オーディブル）です。かれこれ数年来のヘビーユーザーで、移動中や作業中など、様々なシーンで「聴く読書」を楽しんでいます。

話題作『ロスト・ケア』との出会いと積ん読の壁
Audibleヘビーユーザーも唸る！『ロスト・ケア』を「聴く」体験
声を通して心に響く物語の深み
Audibleヘビーユーザーが語る、改めて感じるAudibleの魅力
さあ、あなたもAudibleで「聴く」読書を体験してみませんか？
【この記事で紹介した作品・情報】

話題作『ロスト・ケア』との出会いと積ん読の壁

そんな私が以前から気になっていたのが、葉真中顕さんの小説『ロスト・ケア』でした。

介護や福祉の現場が抱えるリアルな問題、そして人間の根源的な「罪と正義」に深く切り込んだ衝撃作として、SNSを中心に大きな話題を呼んでいました。

第16回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞という輝かしい肩書きも、この作品への期待をさらに高めていました。

戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決。その報を知ったとき、正義を信じる検察官・大友の耳の奥に響く痛ましい叫び——悔い改めろ！介護現場に溢れる悲鳴、社会システムの歪み、慈悲の名の下に暴走する正義。命の尊厳とは何か。
Audibleより引用

このあらすじを読んだだけでも、強烈なインパクトを受け、すぐにでも読み始めたい衝動に駆られました。しかし、紙の本は購入したものの、他の作品を聴いているうちに、いつの間にか積ん読状態に…。

さらに、2023年には松山ケンイチさんと長澤まさみさん主演で映画化もされ、その話題性からさらに読みたい気持ちは高まったのですが、なかなか手が伸びずにいました。

「これはAudibleでじっくり聴くしかない！」と思い立ち、ライブラリに追加したのが、少し前のことになります。

Audibleヘビーユーザーも唸る！『ロスト・ケア』を「聴く」体験

日頃から様々なジャンルのオーディオブックを聴いている私ですが、『ロスト・ケア』のAudible版は、その期待をはるかに超える体験でした。

プロのナレーターによる臨場感あふれる朗読は、まるでラジオドラマを聴いているかのよう。登場人物たちの感情や情景が、声を通して鮮やかに伝わってきます。特に、『ロスト・ケア』のような重厚なテーマを持つ作品は、活字で読むのとはまた違った深みを感じさせてくれました。

イヤホンを装着し、スマホのAudibleアプリで再生ボタンを押すだけで、いつでもどこでもこの物語に没入できる手軽さは、Audibleならではの魅力です。家事をしながら、移動中に、寝る前のリラックスタイムに――様々なシーンで『ロスト・ケア』の世界を堪能しました。

声を通して心に響く物語の深み

Audible版『ロスト・ケア』のナレーションは、本当に素晴らしいの一言です。物語の雰囲気に合った落ち着いた声色で、登場人物それぞれの心情を丁寧に表現しています。特に、主人公である介護士・斯波宗典の淡々とした語り口と、彼を追う検察官・大友秀美の正義感溢れる声色の対比が、物語の緊張感を高めていました。

「殺人ではなく救いだった」と語る斯波の言葉の重み、法と人道の間で葛藤する大友の苦悩、そして介護現場で追い詰められていく人々の悲痛な叫び――それらが、ナレーターの声を通してダイレクトに伝わってきました。

Audibleを長年利用している私ですが、本作のナレーションは、物語の持つ力を最大限に引き出していると感じました。目で読むだけではなかなか想像しきれない、登場人物たちの細やかな感情の動きや、物語の背景にある社会の歪みが、「声」というフィルターを通して、より鮮明に、そして深く理解できたように思います。

介護という現代社会が抱える大きな問題を、ミステリーという形でエンターテイメントとして昇華させながら、「命の尊厳とは何か」という根源的な問いを私たちに投げかける『ロスト・ケア』。Audibleで聴くことで、そのメッセージはより一層、私たちの心に深く刻まれるはずです。